初めての手紙
「あーだめだ!」
机の前に向かうララは一人、薄暗い部屋の中、麻の服にインクをこぼすのもいとわずに何かを書いていた。
何時間も何時間も頭をひねらせていたが、やがてぐしゃぐしゃと紙を丸めてしまう。
いい言葉が思いうかばない。
相手のミラとはいつもケンカばかりしているのだ。今さら改まって何を書こうというのか。ララにはわからなかった。
「もうムリだ…」
諦めに気持ちが傾き、ぐったりと机につっぷした。窓の外ではしんしんと雪が降っている。もうすぐ年明けも近かった。
そしてしばらくのち、ララははたと顔を上げた。
そうだ。何も気取る必要なんてない。
いつも通りに書けばいいのだ。ララはペンを取った。そして、書いた。
「ミラのバーカ。…来年も、これからもよろしく ララ」